TM(トレーニングマッチ)はいいぞという話。
TMがトレーニングマッチの略だ、ということを知ったのは、ファジアーノ岡山の練習場「政田サッカー場」の見学に行くようになってからだ。
自分の本格的「政田デビュー」はかなり遅くて、ファジアーノがPO(プレーオフ。3位から6位の4チームが昇格の残りひとつのイスを争う)進出し、あと一歩で逃した2016年が終わってから、だったと思う。
「本格的」の意味は、単にチェアを買っただけなんだけど(汗)。
政田にはもう岩政さんも矢島くんもいなかったが、加地さんと豊川くんはまだいた年。
もっと早くから行っていればよかったなあ。
しつこくて申し訳ないのだが、サッカーはどどど素人である。
レベル的には、オフサイドが(言われたら)やっとわかるぐらいだろうか。
そんな初心者だけれど、トレーニングマッチは素直に「面白いなー」と思うのだ。
トレーニングマッチとは、大雑把に言うと「他チーム(他クラブ)との練習試合」のことである。
(ちなみにチーム内の練習試合だと「紅白戦」)
相手はJクラブだったり大学生チームだったり、様々である。
今回、徳島との公式試合の次の日、同じ徳島が今度は政田にやってきて岡山とトレーニングマッチをするというので、行ってきた。
天気も良く、この時期にしてまだ暑さが。
日傘を持参してよかった。
すでに駐車場は大きなほうが埋まり始めていて、たくさんのサポーターが試合開始を待っていた。
よそのクラブの練習場には行ったことがないので、これが多いのか少ないのかはわからない。
さて「トレーニングマッチはいいぞ」と思う理由のひとつに、スタジアムとはまったく違った雰囲気を味わえることをあげたい。
明らかに違うのは、「音」だ。
スタジアムでのアップ時は音楽が鳴っているし、試合になれば両チームの途切れることのない(ちょっとはあるけど)応援と大歓声に包まれるが、ここは練習場だしあくまでも見学なのだからそれらがない。
(もちろん、ゴールが決まったときの拍手とかはあるけれど)
初めて政田に行ったとき、ボールを蹴る音の大きさに驚いた。
あ、サッカーボールを蹴ったらこんな音するんだ……というような。
そして、選手たちの「声」である。
本当は常に選手たちは声を掛け合っていて、それが止まることはないのだ……これも、政田に来なければ体感できなかった。
もちろん、試合中も「お互いにコミュニケーション取ってるんだろうなー」とは頭ではわかっていたけれど、実際にそれを聴くのとは全然違う。
ゴールの後ろに座ることがほとんどなので、ゴールキーパーの声が一番よく聴こえる。
そして、一番声を出しているのも彼らだ。
ゴールキーパーと言えば「守護神」などと言われるように、ゴールマウス(ゴールの前らへん)を守る最後の砦、スーパーセーブ!という印象が強いのだけれど(実際そうである)、実は最後尾からチームに対して状況に応じた指示を出す「コーチング」を行う、という大事な役割があるということを知った。
DFに声をかけているのをみて、ああやって修正していくんだなあと。
もちろんフィールドの選手たちも、お互い声を掛け合って試合が進むのは、たぶんどの競技も同じだろう。
ファールを取られて思わず「えーなんでー?」っていうのが聴こえたり(笑)
これらの音に加えて、フィールドが近いことでスピード感や迫力がずんとプラスされ、また角度的に選手目線に近いという違いも。
スタジアムの上の方やDAZNでいつも眺めている風景とはまったく違う、うーんなんといったらいいのか、生命力に溢れた感じがダイレクトに伝わる、それがトレーニングマッチなのだすごい!
……と勝手に思っている次第だ。
たぶん「トレーニング」なので、勝ち負け以上に何か戦略的なこととか、課題とか試行とか、そういうことも視野に入れていたりするのだろうかなあ。
わからんけど。
また、練習場で選手とほぼ同じ角度で見学していると、あっちがあいてるとかこっちにスペースがとか、それはDAZNやテレビ放映(もしくはスタジアム)で神の目線でこそ見えることでもあって、プレーする選手たちはまったく違う、フラットな風景を見ていることがよくわかる。
選手から目線では、ここでシュートを打ってもコースが消されている、ここなら飛び込める、みたいなことなんだろうなあ。
ちゃんと見る人が見たらわかるんだろうけれども(解説の人とか)。
そして、トレーニングマッチは公式戦ではない分、とても平和である。
推しの選手たち!が躍動するのを、「よきかなよきかな」と極めて穏やかな気持ちで試合を追うことができるのだ。
まあ、公式戦だって「よきかなよきかな」だけどね!
さて、次はホーム長崎戦。
先行入場の申し込みも終わったが、こればっかりは引きの弱さでなかなか前のほうにはならない(涙)。
そして、このチームで戦えるのもあとわずか。
増してくる寂しさを振り払いながら、少しでも後押しをしていけたらいいなあと思うのであった。