立ち向かう楽観主義、ふたたび。

おかやまマラソン、県民枠募集始まる。(これまで走ったこと)

4月10日から、おかやまマラソンの県民枠募集が始まった。
走力どころか体力すらも危うい超絶文系な自分が、何の気の迷いか初めてマラソンに参加してから、早4年。時のたつのは本当に早いものである。

 

www.okayamamarathon.jp


第1回は、ズブの素人にして勢いでなぜか第4関門まで行ってしまった(19キロ)。練習でも走ったことがない、第1関門(5キロ)まで行けたら上出来万歳!だったのが、あれよあれよという間に「雰囲気で」通り過ぎてしまう。


もちろん、美味しい給食など取る余裕もなく、あと何十メートルか先の関門を大きな白い布が「ざんねーーーん!」と遮り、がっくり。敗者のバスに粛々と乗り込む。股関節痛がその後、なかなかおさまらなくて困ったが、これは準備不足、終了後のストレッチ不足が大きいと今ならわかる。

 

2015年の記念Tシャツ。

2015年の記念Tシャツ。

第2回は懲りてファンラン(5.6キロ)に応募するが落選、第3回に当選してようやく「完走証」とアースミュージックエコロジーの記念タオルを手にする。あー嬉しい。
でもメダルはない。木村屋のバナナロールはもらったけれども。
しかし、スタジアムに入ってきたとき、最初に目に入った美しい緑のピッチ。いつも上から見下ろしている、芝がそこにあった。

 

「ああー、ここからコーナーキック蹴るのか!」

 

とか、とにかく選手と同じ目線に立ててるのが胸アツで、ゼイゼイ走りながら撮影。

 

唯一完走したので、走りながらCスタを撮影。

唯一完走したので、走りながらCスタ撮影。


おかやまマラソンの完走記念メダルは、なんと備前焼と倉敷特産の真田紐だ。第1回の時、3分差で完走(6時間)を逃した相方が、今回は無事にメダルをゲット。
うーん羨ましすぎる! やっぱりほしいな……

 

ということで、直近の第4回(2018年)は再びフルマラソンにエントリー。少しは近所を走ったりジムに通ったりして、前回よりはだいぶ練習してみたけれど、フルマラソンに必要と言われる「長距離を走ってみる経験」も積めず、無謀さはあまり変わっていなかったと思う。
一週間前に別の大会(5キロ)に出たぐらいだ。そのとき、けっこうしんどかったので、あーこれだめかもと不安が不安を呼ぶ。

 

ところが、ふたを開けてみれば、持久力が少しはついていたのか、第1回でリタイアした場所も難なく通り過ぎ、折り返し地点もクリア。すごいじゃん。もしかして……もしかしてこのまま行けるなら?

 

ラソン大会に出るときは、毎回ファジアーノのユニフォームを着て走ることにしている。一応、ささやかな宣伝の意味もあるが、同じようなユニフォームをあちこちで見かけると本当に力をもらえる。


そして、沿道でユニに気づいてくれた方やボランティアの高校生たちが、

 

ファジアーノ、がんばってー!」

 

と応援してくれるたびに、歪んだ笑顔で手を挙げて答える。そして、「もうちょっと、もうちょっとがんばろ」と足を動かす。
ファジサポさんが、チャント(サッカーを応援するときのかけ声)を歌ってくれたときは、本当に感激した。あのときのサポさん、本当にありがとう。

 

11月初旬とは思えない強い陽射しの中、サングラスはもちろんのこと、まさかのファジタオルマフラー(サッカーの応援でみんなが回すやつ!)が大活躍した。
給水所ごとに水でどぼどぼに濡らして、首を冷やす。
熱中症にはかつて何度かやられているので、これをしているだけで気持ちも落ち着き、からだを冷やす役目も果たしてくれたと思う。

 

確か、初回のときは小雨が降っていて、途中まで合羽を着て走った記憶があるから、天気の予想もまた大事な要素である。

 

毎年、おかやまマラソンは紅葉の11月初旬。

毎年、おかやまマラソンは紅葉の11月初旬。

もしかして、これ行けるかもしらん?と思った気持ちは、あまり長続きはしなかった。足は次第に重たくなる。痛い部分が出てくる。
いったん立ち止まってストレッチをしてみても、あまりかわらない。そして、一度足を止めれば、再び走り出すのに気力も燃料も足りないのだ。

 

他のマラソンもそうだと思うが、おかやまマラソンも目標タイムごとにペースメーカーがいる。
6時間でギリギリ完走を目標とする、最後のペースメーカーにさえ抜かされなければ……風船をつけて遠くからでもよく見える最後のペースメーカーが、いつの間にか後ろまで来ていて、たんたんと横を追い抜いて行った。これについて行かねばゴールはない。わかっている。だが、足が動かない。ついていけない……ああ。

 

キロ8分で走り続けていたら行ける、それは自分にとっての「机上の空論」でしかなかった。同じペースでずっと走り続けられるということは、本当に!すごいことなのである。すでにペースはがた落ち。キロ9分以上になっていた。足があがらない。


第6収容関門、29キロの地点で「あと1分です!」と叫んでいるのが聞こえる。数十秒の差でダッシュして走り抜け、すぐ後ろで白い布がランナーを無情にもシャットアウト。何とか通り抜けたけれど、そのダッシュで残っていたすべての力を使い切ってしまった。


風船はどんどん遠ざかっていき、やがて最大の難所岡南大橋の向こうに消えて見えなくなった。「何とか走り抜けた」仲間である他のランナーたちも、力を使い果たし、ほとんどが歩き、座り込んでいた。
そのしばらく後から「最後尾」と書かれた車がゆっくりと追い抜いていく。

 

前の関門を通過してしまったので、次の関門まで行くしかない。もう間に合わないことは確定なので、岡南大橋をとぼとぼと歩く。きつい。橋の向こうの旭川沿いに、最後の風船が動いているのが見えた。ああ、あれについていけたなら。
(ただし、川沿いにも関門は3つぐらいある汗)

 

大きな橋を渡りきると、そこにはたくさんの「敗者」たちがいた。
とはいえ、あくまでも「制限時間に対する敗者」である。
皆、精一杯自分と戦った。自分としても、完走できなかった口惜しさと、前回(19キロ)を大きく超えた(30キロ)ことに対する評価と。
今年は、完走タオルはなかったかわりに汗拭きタオルをもらえたのが、地味に嬉しかった。


バスはなかなか来なくて、予想以上にここで多くの人がリタイアしたようだった。予想外の暑さに、熱中症になったランナーもいたと聞く。街中は混んでいて、長い時間をかけてやっとバスが陸上競技場に到着。ゴールしたランナーたちが大きなタオルをかけ、メダルを見せ合ったり笑い合ったりしている様子に軽く嫉妬を覚えながら、またもや8割の完走者に入れなかったかと、とぼとぼ更衣室に撤収。
リベンジを期した挑戦は、またもやリベンジしきれずに終わった。

 

がんばったんだけどなあー

がんばったんだけどなあー

さて、おかやまマラソンの良いところは、ボランティアの方たちのがんばりと、切れ目ない沿道の声援だ。他のフルマラソンに出たことがないのでわからないが、本当に応援が途切れない。吹奏楽やバンド応援、太鼓の演奏、会社の応援などさまざまだが、高架を渡るときに遥か遠くの高齢者施設の屋上に、大きな横断幕(内容は忘れたけれど、がんばれとかそういうのかな)が見えたときには、ちょっとじーんときてしまった。あそこからなら見えるはず、とあげてくださったのだろう。ありがたいありがたい。

 

さて、今年は当選するか否か。
また盛り上がるといいなあ。

 

 

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