立ち向かう楽観主義、ふたたび。

親が介護認定を受けることになった。

覚え書きとして、書いておきたい分野がいくつかある。そのひとつが「介護」だ。

 

自分の両親、義理の両親は揃って元気である。もちろん、いろいろな病気を抱えて入院したり退院したり、現在はそれと折り合いつつ日々それなりに暮らしている。今回、ついに「介護」という言葉が現実味を帯びる第一歩、介護認定が義理の父におりた。

 

とは言っても、この「介護認定を受ける」というところまでこぎつけるのが大変に険しい山道で、そういう「認定」を受けること自体に、

「(年老いた)自分が否定される」
「デイサービスなどに行かなくてはならなくなる」
「どこか(施設とか)にやられる第一歩」

のようなことをなぜか激しく思い込んでいて、何度ていねいに「便利なサービスを受けられるための判定だよ」と説明しても、毎回機嫌を損ねてしまうので周りも成り行きに任せるしかなかった。
一度は判定員さんに来てもらったものの、「介護認定のときだけやたら元気でがんばりすぎる」という世の中の「あるある」例にもれなかったため、そのときは失敗に終わったのだ。

 

しかし少し前に、年齢か病気か、原因はわからないが夜中急に立てなくなった。しばらくして何とか立ち上がり、杖をつきながらトイレに行くことができるほどには回復したが、精神的にもダメージを受けたと思う。粘り強く話して、ようやく介護認定がおり、ケアマネージャーさんが来てくれることになった。

 

「介護認定」されることに立ち合うのが初めてなので、こちらとしても何がどう進むのかさっぱりわからぬが、だいたいこんな感じで進むようだ。

 

高齢者の生活の不安に対して、

1.市町村の窓口にまず相談(高齢福祉課や介護福祉課など)

地域包括支援センターを紹介してくれる

(うちの場合はすでに包括支援センターの方と接触があった)

 

地域包括支援センター」=市町村が主体となって設置する機関。それぞれの地域の中で、高齢者とその家族の暮らしをサポートしてくれる拠点。保健師社会福祉士、主任介護支援専門員(ケアマネージャー)などが置かれ、医療や福祉など高齢者の困りごとの相談に乗ってくれる場所。

 

2.地域包括支援センターの人と相談、介護認定申請の手続きをする。

3.審査員の人が審査に来てくれる。

4.介護認定の是非が通知される。認定されると通知書や介護保険証、今後のサービス活用に必要な書類が送られてくる。

5.書類の中に、地域の「居宅介護支援事業所」の一覧が書かれており、その中から担当になってほしいケアマネージャーさんを選んで連絡。

6.ケアマネージャーさんと面接。具体的な支援策について検討していく。

 

「居宅介護支援事業所」=在宅で介護を必要とする高齢者やその家族が、適切なサービスを受けることができるよう、各機関や介護サービス事業所などと連携する機関。都道府県の指定を受けている。介護支援専門員(ケアマネージャー)がケアプランを作成し、それに沿ってサービスが進められる。

 

担当をお願いしたケアマネージャーさんは話しやすい、良い感じの方で、両親の話をていねいに聞き取り、家族にも質問しながら今後の方向性を探っていく。

 

生活の不便を解消するサービスには、まず実際に取り付けるなどの工事をする「住宅改修」という方法があげられる。たとえば、手すりを壁に取り付ける作業や、段差をなくす工事などはこれにあたる。もうひとつはレンタルだ。これは住宅には手を加えずに、突っ張り棒を取り付けたり床に置いたりするもので、それを月いくらかで借りることができる。また、補助杖などを買い取って使うという方法もある。

 

我が家の場合、まず家の中を歩くための手すりということで、「住宅改修」そして借りることもできる「レンタル」、これを両方やっている業者さんをケアマネージャーさんから紹介してもらい、次回一緒に訪問して、家の中を見てくれることになった。

手すりがあると便利

手すりがあると便利

義父は昔の人なので、自分の建てた家を改造されたり勝手に手を加えられたりするのではないか、と疑心暗鬼気味だったが、「手すりは取り付けるだけなので杞憂である」ことを、これまた根気よく説明することになった。ハードルは、こんなところにも隠れているのだ。
いずれにしても、実際に便利になれば自然と受け入れていくものなのだろうな、とは思う。家の中の動線をあらためて考えさせられる良い機会でもあった。

少しずつ、少しずつ、焦らずにやっていこう。

 

 

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