立ち向かう楽観主義、ふたたび。

天皇杯2回戦。ジェフユナイテッド千葉 VS ファジアーノ岡山

フクダ電子アリーナ、通称フクアリ
サッカー専用にして、座席のほぼすべてをカバーする屋根。雨でも安心して観戦できる素晴らしいスタジアムだ。
そして……ファジアーノ岡山にとっては「鬼門」でもある。

 

2010年から10回対戦して、このフクアリでは一度も勝てていない。
実に、3分7敗。完敗だ。


今シーズンリーグ戦のアウェイは、すでにスコアレスドローで終わっている。
天皇杯カップ戦ではあるけれども、それでも、歴史の変わる瞬間に立ち会えるかもしれない、と思う。


(大げさかもしれんけどサポ的にはそんな感覚)


しかも、土曜日の横浜FC戦で大敗を喫したこともあり、逆に応援したい気持ちが急に高まってきて。

 

 

……来ちゃった。

 

屋根がぐるりとサッカー専用スタジアムを覆う。

屋根がぐるりとサッカー専用スタジアムを覆う。

 

ぼっち観戦の遠征は、2度目だ。
しかも、最初のは2年前の讃岐戦。家人の都合がつかず、ひとり車を走らせて瀬戸大橋を渡った。それはそれで、なかなかスリリングな旅であったことよ(大変な方向音痴である)。

 

さて、それでも蘇我駅からは一本道なので、何とかスタジアムに到着。天皇杯だがお店はいくつか出ていたようで、おでんを食べている人もいた。今回は昼ごはんが遅かったため、熱中症対策のペットボトルのみ。

 

周りを見回すと連れ立って来ている人は多く、ひとりで来ているサポーターも、みんな知り合いなんじゃないかというぐらい挨拶をかわしている。顔馴染みなのはちょっと「いいなあ」と思ったり。
普段はあまり応援の中心近くにはいないので、いろいろ観察できて面白い。

 

天皇杯で、しかも平日ということもあり、反対側の千葉サポーターさんも比較的少ないが、バンデーラもあって声量はさすがだ。
岡山サポのアウェイ限定応援歌「桃太郎」を歌うと、千葉サポさんたちが拍手をしてくれた。おや、こういうのって他のチームにはあったかなあ? なんか優しい世界。

 

試合は、ダゾーンのように全体を録画で見返すことができないので、公式のハイライトを観てもう一度思い起こしているのだが、前半の入は千葉のほうがおしていたのかなあ。流れるような攻撃が、左右に展開しているというイメージ。
フリーキックからのシュートに「あっやられた」と思ったら、オフサイドの旗が上がっており胸をなでおろすシーンも。

 

それぞれの時間帯もあり、岡山も攻め立てるが決定打にはならず。下口選手のシュートは、惜しくもバーに嫌われた。反対側から観ていたので、入ったかと思ったよ。
守備陣は、試合を通してゴールキーパー金山選手のスーパーセーブがとりわけ凄かった。後ろから気合を飛ばしまくっている。

 

前半アディショナルタイム、喜山選手のコーナーキックが、弧を描いて増田選手の頭にドンピシャ! おおおおお……。
あれは気持ちよかっただろうなあ。さすがのマグさん。
よい時間帯に先制点が入り、フクアリでファジがリード!

 

後半になると、金山選手のセーブがますます神懸かってくる。
ギアを上げて攻め続けてくる千葉、決定的なシーンもあったがなかなか千葉の得点には結びつかない。
しかも、遠い反対側なので、よく見えない(ありがち)。


そうこうしているうちに、金山選手からの素速いパスが中野選手に渡る。中野選手は千葉の選手を引き連れて、ぬるぬるとドリブルで攻め上がる。
十分引きつけてから、誰もいない逆サイドを走っていた福元選手にパス。
そのまま、プロ初ゴールが誕生。 やったーーー!
思わずハイタッチしまくってしまった。


福元くん……去年、初めてリーグ戦に出たときには、緊張していたのか練習の短パンを履いたまま出てしまう、という初々しさだったのを思い出す(あれは語り継がれている)。
選手の成長は、本当に嬉しい。

 

 

しかし、浮かれていてはいけない。ここはフクアリだ。
しかも、2-0は危険なスコア。
あードキドキする。あー神様。

アディショナルタイムは4分。
何度もゴール前に攻め込む千葉に、最後にゴール正面でフリーキックを与えてしまう。


しかし、立て続けの素晴らしいシュートを全力で止め切る金山選手、弾いたボールを福元選手が触り、それをイヨンジェ選手が全力で追いついてカウンター。
一番外側に走り込んでいた武田拓真選手に絶妙なパスが渡り、ここでまたプロ初ゴールが生まれたのであった。
やったね拓真くん!

 

youtu.be

 

スタメン争いは、日々本当に厳しいのだろう。
そんな中で結果を出した選手たち。試合前に増田選手が言っていた「俺らもいるんだぞ」というところをまさに体現してくれた。
これからどうチームが成長していくか、本当に楽しみである。

 

それにしても、こんなに声を出したのは初めてだ。
チャントはよく知らないのもあるので、歌えるところだけ。
それでもこの少ない人数の中で、少しでも選手を後押しできるなら。

 

ゴール裏に来てくれた選手たちと勝利の雄叫びを上げるとき、中心にいた金山選手が、

 

「もっと、もっとぉー!!」

 

とサポを煽り、さらにヒートアップ。
喜びを皆で爆発させた。
本当にありがとう。思い切って来てほんまによかった。

 

 

勝ったどー!

歴史が変わる瞬間が訪れた。勝ったどー!


おまけ。
家族には信じてもらえないのだが、帰りはもう暗かったし雨だし、人の動くほうに何となく歩いていったら、駅と逆方向だったよ。
来た方向に戻ればいいだけなのに。
まったく、方向音痴の才能が豊かすぎて困る。
ひとりだし、早めに気づいてよかった……。

 

 

ところで。
次、J1王者川崎フロンターレと?
まさか、Cスタ開催はあるのか???

 

 

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