J2リーグ第24節アウェイ戦。ヴァンフォーレ甲府 VS ファジアーノ岡山

「9度目の正直」が実現した瞬間だった。

クラブが今まで挑んで跳ね返されてきた、4連勝の大きな大きな壁。
J2に上がって11年目、初の出来事だ。
これまで、4連勝がかかった試合はすべて引き分けだったそうなので、それもまたファジらしいのだけれども、この日はやってくれた。
うーれーしーいー！

「相手に先制されてからの逆転勝ち」というところが、ファジアーノにとってはとても大きな意味を持つと感じる。
これまで、後半30分を超えてから、相手に追いつかれたり勝ち越されたりするゲームが多く、少し前のNHK岡山のファジアーノコーナー「もぎファジ！」でもスポットが当たっていたほどだ。
（ゲストのサッカー解説者早野さんが「（勝った試合の後なのに）ここで出すー？」と言ったほどだ）

ヴァンフォーレ甲府は、去年J1にいたチームでとても強い。
甲府7位、岡山6位の直接対決である。
前回、ホームでの対戦は先制しながらも、アディショナルタイムでPKを献上して追いつかれる、というまさに上記を象徴するような試合。

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それを考えると、追いついたり逆転したりすることにあまり、というかほとんどサポーターは慣れていない。
なので、もう喜びのあまりふわふわしてしまうのである（あかん）。
勝つことに慣れていない状況（あかんあかん）。

この日の試合は、相手の素晴らしい連携からの失点以降、なかなか攻めきれないシーンが続いた（イヨンジェ選手や関戸選手の惜しいシーンなどはたくさんあった）。
こちらが攻めても、また攻め返されてしまう。

本当に甲府の選手は強い。
特に恐ろしかったのは、ウタカ選手。
1失点目も、寄せるDFチェジョンウォン選手をぐわっと振り切ったフィジカルの強さを見ているから、彼がボールを持って前を向いた瞬間、思わず画面の前で

「あかーーーーーん！」

と絶叫してしまうよな、これ誰でも！

一目散にゴールに向かい、「ああもうダメだ」と思った瞬間、横から猛然とダッシュしてきたDF田中選手の勢いもあってか、一森選手が足一本だけで大・大・ファインセーブ。
ありがとうありがとう、一森くん。
メリッサが頭の中を回る。息の根を止めてくれた！

後半に入ってもなかなか打開しきれないが、あきらめないで続ける。そんな気持ちが見て取れた。

そんな中、後半残り10分を切ってから、三村選手からパスを受けて、ペナルティーエリアに切り込んで行った仲間選手。
ひらりひらりと2人を剥がしたところへ、勢いよくスライディングが来て、なんとPKを獲得。

これを、イヨンジェ選手がぬるぬると決め、岡山はギリギリで試合を降り出しに戻すことに成功した。
仲間選手の足、大丈夫だったかな……心配。

鋭いミドルシュートや、バーの上をかすめる無回転シュート（一森くん触る！）など甲府の怒涛の攻撃をしのぎ、そのときはやってきた。

甲府のパスをカットした上田選手から、サイドの関戸選手へするりとパスが出る。前を向いた関戸選手から、待ち構えていた中野選手へ。
相手を引きつけてから思い切り振り抜いた右足のシュートを、キーパーがナイスブロック。
大きく上に跳ねたボールを、よく見て走り込んできたイヨンジェ選手がわずかに相手をかわし、頭で叩き込んだ。

うおおおおおお！
らーらーららーら、イーヨンジェ♪

吠える監督。輪になって喜ぶコーチ陣（かわいい）。

いつも飛びかかってくる？仲間くんが交代してピッチにいないので、代わりに走ってくるのは武田拓真くんかな、「さあおいでー」みたいな感じで手を広げて待っているイヨンジェさんはとてもキュート（そこか）。

そこから先の数分間は、もう、いつも通り祈祷班である。
阿呆みたいに家の廊下を行ったり来たり。
何かブツブツと唱えている。
（試合観ろよ）

そして。試合終了の笛がやっと鳴った。
……勝った。
4連勝……クラブ初の。
うわーーーん。良かった。本当に良かった。

選手のみんな、スタッフの皆さんありがとうありがとう。
遠い現地に行ってくださった方にも、感謝（実は甲府の場所がよくわからない西日本の民）。

もちろんこれで全然終わりではなく、上位進出に向けての始まりだ。
夏の三連戦、選手たちも本当にキツいと思う。
次はさらに強い柏レイソルが相手だし、まったく気を抜けない。
8月には天皇杯も控えているし、ますます競争も激化するだろう。
本当に怪我だけには気をつけて。がんばろう共に。

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